topページへ つくり手インタビュー
   
風基建設 渡邊隆さんに聞く
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設計と施工との間の「翻訳作業」するのが、私の仕事

翻訳図面の一例
  翻訳図面の一例 
設計事務所から受け取った設計図面を、どうしているか
「風基建設」を主宰している今では、個人住宅が主(残念ながら、文化財の仕事はもうひとめぐりしてしまって、これからはあまりないんですよ)です。都会だと建築基準法の防火規則の関係で大壁にせざるを得ないケースもありますが、できるだけ真壁で、架構の軸組が見える家を作っています。江戸時代に完成した町屋形式を現代に合った形でつくるといったところです。年間1〜2棟ある設計施工以外は、設計事務所の現場の仕事をしています。設計士からあがってくる設計図面をもとに、現場に添う形に書き直しています。最近は細かいところまで描き込んでくる設計士さんが多いんですが、木の家づくりの現場では、木のクセとか、細かい経験的な智恵が関わる部分も多く、そこは設計士の領域ではないから、結局は描き直しになる部分が出てしまうんですね。昔の設計士さんはいい加減というか、おおらかなもので、基本設計だけして「こんな家、建ててよ」という感じでしたね。でも、今は几帳面に描きこんできてくれることが多いので、きちんとしていていいんですが、二度手間になっちゃうことが多いんです。一応、見積もりには「施工図面作成」という項目で、少し予算をとっています。枚数描いている割には、ほんとにちょっとですけれどね。そのあたり、設計との分業がうまくできてくるといいんですが。


設計と施工と、うまくコミュニケーションできると、いい仕事になりますね
理想的なのは、架構を決める段階から、設計と施工とでていねいに話し合いながら決めるというやり方ですね。12月に竣工するんですが、木の家ネットのメンバーでもある空間工房の間々田さんといっしょにやっている家がそのケースです。梁組を決める段階で、ああだ、こうだ、と話しながら実施設計にもっていきました。予算の調整では苦労しましたが、仕事の進め方としては理想的ですね。
今は木の家ネットに参加している設計士さんたちのように木組みを勉強する人たちも出てきています。8、9割方のことはその方たちの努力によって「私家版仕様書」にまとめられている。でもね、ほんというと面白いのは、そのあとの1、2割なんです。それが何なのかというと、大工の経験なのです。そんな智恵が、木の家ネットで共有されてくると、面白いんですけれどね。当の大工は口べただからそういうことをなかなか口にしない。設計士も「自分の世界」が強い人が多い。どちらもある意味で、排他的なんです。その両者の間で、コミュニケーションをとることも私の役割でしょうね。設計と大工の間の風通しがよくなる、そんな「風基建設」でありたいですね 。



家の模型
  空間工房の間々田好博設計士と組んでつくっている家の模型
この段階で梁組について話し合った
 


設計は自由なアイデアを、施工はそれを実現する方法を
家づくりの中でそうした対話が息づいてくれば、設計士はより自由な発想で「こんなの考えちゃったけど、できる?」とアイデアをもちかけてくればいいし、大工・工務店はそれを受けて、豊富な経験のひきだしの中から、それを実現する方法を考えればいい。お互いの役割を果たしながら、木の家づくりの可能性を冒険していければいいんだと思うんですよ。そうでないと、決まりきった技術の繰り返しになっていって、つまらなくなってくる。遊びの発想も大事です。そういう橋渡しができる工務店はまだまだ少数派ですけれどね。
       
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