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「自分ごと」になれば、変わる 「大工さん何しに来たん?」 耐震工事のとき、子どもたちは毎日職人の作業を見ていたという。「ものを造った人の顔が見えるだけで、大事にする気持ちが無意識に湧く」と栓山さん。ならば、共同作業をすることによって生ずる価値は計り知れない。ワークスクールに携わったほかの大工も「自分が施工に関われば『古くなったから壊そう』ではなく、『直して使おう』と施主の発想が変わる」と言う。 確かに、職人だけで作った方が、質の良いものが早くできる。だが、使う人が「共につくる」ことで、愛着がわき「大切にしたくなる」。なんでも買える、替えが利く、と思い込みがちな現代にあって、この「意識改革」が実は一番難しい。「あそこの釘はぼくが打った」「あのかざりは私のよ!」参加した子どもたちは、自分も関わってできあがったことを忘れることはないだろう。そして自ずと「大事に」使っていくに違いない。 「だれかにおまかせ」でない、自分が関わる家づくり 「家づくり」においても同じことだと思う。プランを共に考える、現場に足を運んで職人の仕事を見る、床板に柿渋を塗るなどの作業をしてみる…家づくりに参加する度合いが深まるにつれ「お金を出すだけ」では生まれ得ない思いが、わいてくるはずだ。現場で「なにかできること、ありますか」と訊ねてみてほしい。木の家ネットに入っているような腕のよい職人なら、何ができるか、一緒に考えてくれるはずだ。 この先、技術的なことは、機械に取って替わる部分もあるかもしれないが、信頼関係を築けるのは、人間だけだ。職人と住まい手との心を組むのが「家づくり」。「家」はあくまで「人」が住むものだから。あらためてそう感じた。 そして今回のワークスクールはあらためてそのことを教えてくれた。その意味で大工たちにとっても大きな収穫があった数日間であった。「だいくさん、ありがとう」という子どもたちの言葉にかえられるものはない。
取材:池山 琢馬(一峯建築) 構成:持留ヨハナ
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