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[木の家]現場レポート2_五月組
 


施主と職人の信頼関係


宮崎吾朗さんは「会った瞬間、中村さんに、決めました」と言うが、中村さんの最初の返事は「ぜひやらせてください」ではなかった。「映画のセットをつくるんなら、工芸屋さんに頼んだ方がいいですよ」「いや、当時建てられた家として、再現してほしい」というやりとりがあり「仲間の大工といっしょになら、できます」と引き受けた経緯がある。

そんな中村さんたちのチームを、サツキとメイにちなんで「五月工務店」と命名したのは、吾朗さんだ。「ぼくたちのような個人の大工の集まりを信頼し、賭けてくれたのがうれしい。その期待にしっかりこたえます」と中村さん。


さまざまな職方と施主とをつなげる役割

「サツキとメイの家」にはさまざまな職種がかかわる。基礎、材木、左官、タイル、瓦焼き職人、瓦葺き職人、板金、建具、畳、水道、電気・・・それぞれに「昭和初期の頃の」という工夫をしてもらわなければならない。中村さんは今回、大工として「手を動かす」ことをせず、吾朗さんを各職方にひき会わせる「コーディネーター」に撤した。

「いちばんたくさんまわったのが瓦。採土場、精製場、窯・・・鬼瓦の工房にも行った。昭和初期の便器はふつうの製陶では引き受けてもらえず、知り合いの陶芸家に頼んで焼いてもらいました」この仕事ならこの人、という引き出しをもつ中村さんが同席する打ち合わせは、スムーズに運んだ。「手を動かす人と直接話ができるから、気持ちがよかったですね」と吾朗さん。

その間、サツキとメイの家の墨付けは増田さん、刻みは栓山さんたち、管理棟の墨付けは北山さん、刻みは池山さんと作業が着々と進み、めでたく建前を迎えることができた。ふだんはひとりひとりで仕事する大工たちの、見事な役割分担とチームワーク。生き生きとしたはたらきぶり。チームと施主との信頼関係。たった一日の現場訪問から、よいエネルギーをたくさんもらえた。来年公開となる「サツキとメイの家」にもそんなよい気が満ちあふれるにちがいない。どうぞお楽しみに!


五月工務店
 「サツキとメイの家」を建てる大工のチーム。木の家ネットメンバーの中村武司さん(親方)、増田拓史さん(棟梁)、北山一幸さん、池山琢馬さん、田上晴彦さん、長尾和博さんを含む19名。進捗状況は読売新聞の連載記事で!
愛・地球博の公式サイトはこちら

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上/洋館部分の屋根組。ここにだけは金物をつかっている。

左/中村さんが関わっているひとりひとりを紹介。
板金屋さんの力作の雨樋の見本。一枚の板金から切り出したとは、お見事!
五月組の最年少は中村さんのもとで現在、修行中の19才。伝統構法の未来は明るい!
中京テレビの音声さんと増田棟梁、そっくり!?

「みんなのおかげで建前も乗り切れた」と安堵する中村さん。

屋根裏のススワタリならぬ、五月組一同!
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