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![[木の家]現場レポート2_五月組](genba_02/header_2.jpg)
| 番付さえ見れば組めるよ 柱を立て、梁をかけていく。ぴったりと納まる。木と木が複雑に重層するから、順番が分からないと組み上げられない。「いきなり集まって、自分が何をすればよいか、よく分かりますね」と訊くと「木組みをやる大工なら、番付を見れば分かるよ」と答が返ってきた。 番付とは、刻まれた材に書いてある「ほ七」「い六」などという符帳だ。柱の番付と土台の番付、仕口の向きを見れば、その材がどこに来るか、瞬時の判断で、分かる。さまざまな高さレベルでの組み上がりを板に書いた「板図」もおよそ頭に入っている。技術が共通の「ことばのない、ことば」なのだ。 求めて身につけた技術 かつてはあたりまえの技術だった伝統構法だが、今では志ある人しか実践していない。建前に集まった大工たちの平均年齢は30歳代。「大工塾」や「つくろう会」など、地域での有志の勉強会や交流会で出会った仲間たちだ。木組みは、自然に身に付いたものではなく、自ら求め、手に入れた技術だ。 「一番勉強になるのは、建前」と皆が言う。その現場の材に墨を付け、刻んだ棟梁が何を考え、どう工夫しているか、組んでいく中でたくさんの発見がある。より若い大工には木組みの段取りをカラダで体験する場にもなる。「現場での共同作業や情報交換で、それまで自分なりでやってきたことに、ちがう視点を得ることが多い」と今回の棟梁の増田さんも言う。 仲間でもライバルでもあるお互いがしのぎを削る心地よい刺激が、そこにはある。それぞれに経験を重ね、力をつけて再会する顔ぶれがともに作業する建前。こういう日常とちがったハレの場、交流の場があることが、生きた技術をつなぎ、向上させていく。 木組みが完成する棟木は、設計統括で三鷹の森ジブリ美術館館長の宮崎吾朗さんと五月工務店の中村親方、増田棟梁らがともにおさめた。その後、建物の四方をお酒と塩で清め、乾杯をし、餅をまく。続いて、職人のひとりひとりが紹介された。誰もの顔が輝いていた。
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