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[木の家]現場レポート1_田上
 
「和欧 日本建築」とは?

晴吉さんの屋号は、骨組みは日本の建て方で、そこに欧風の文化がミックスされた和欧風を意味するという。「高校を出てすぐ、ヨーロッパに旅行しました。ドイツの田舎の古い家や、そこに住む人々の、古いもの、愛着のあるものを長く大切にしながら暮らす質素な生き方に感銘を受けました」この感動が、晴吉の「和欧」の原点となる。

だがじつは、その旅で彼が考えていたのは、日本のことだった。「日本にも古いものや受け継がれた技術を大事にする文化がありました。それが戦後、効率優先の世の中になって途切れかけているだけなんだ。そのことを強く思いました。外国でいいな、と思ったものは、じつは、ちょっと前までの日本にもあったはずなんです」


明治大正期の建物に感じる色気

帰ってきた晴吉さんは、明治大正期の建築に魅せられていく。「伝統構法の技術的としても最高の時期であり、かつ、西洋の文化が日本に入ってきてもいて、建具や家具、電球のデザインなどにハイカラでお洒落な感じがあらわれています。日本人の文化ってセピア色と思われがちですが、もっと生き生きしたものなんじゃないかな。着物や浮世絵の、色彩豊かでありながらバランスの良い華やかさが好きです」晴吉さんが建てる家のディテールにも、それは反映されている。

「戦前までは、家を建てるのに、孫子の代のことまで考える思いやりが文化としてあった。だからこそ、百年でももつようなすぐれた構造があった。それがとりあえず今をやり過ごせればいいようになって、住み継がれほどの魅力のない家ばかりになってしまっている」

しかしその一方で、シンプルで美しいもの、手仕事のよさを愛する人も増えてきている。晴吉さんはそのような施主に恵まれ、左官や家具、建具のすぐれた職人とのつながりももっている。「これからもういちど、ぼくたちの手で日本の華やかな文化をつくっていきたいと思っています」


田上晴彦 松阪市出身。さまざまな職を経て、24歳で大工の道に入り、1998年に独立。「和欧 日本建築 晴吉」とし、三重県下で仕事を始める。
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上/晴吉さんらしさのひとつが照明。左はオリジナル。中と右は京都で買ってきたもの

左/而今禾で使われているモダンな鉄のお膳と。古い建物とがしっくりと調和している。
轤子庵の2階の窓。外の丸窓と内側の障子が醸し出す雰囲気。
礼拝堂のステンドグラスを思わせる窓が、和風の骨組みの家にもよく似合っている。。
建具がていねいにつくられたものであるだけで、表情がこんなに出る。
東海地方独特の伝統構法「丈五建て」による骨組み。
三重の山奥にある晴吉さんの自宅と作業場。
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