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[木の家]現場レポート1_田上
 
新連載スタート!

このたび、 つくり手の現場を訪問する新コーナーをもうけました。木の家ネットのつくり手がつくる家の魅力を、写真をふんだんに使ってお伝えしていきます。その第一回は、和欧 日本建築 晴吉さんです。


壊されることが決まっていたところからはじまった

一軒目は、三重県長島町にある引き渡し間近の現場。元はかやぶきの平屋だった古い民家の、柱・梁を活かしながらの増改築。できあがった空間はかなりモダン。だが、見上げれば、力強い梁や小屋組があり、昔からの構造の中に新しい生活が包み込まれているのを感じる。

「ここのお施主さんは、いわゆる古民家好きとはちがうんですよ」家の主にも、壊すのはしのびないという思いもあったが、相談したハウスメーカーに新築を強く勧められ・・・「ぼくが行った時には、どこにでもあるような家の模型が座敷の座卓の上にあったんですよ」

常日頃、解体する古い家があると聞けば、材をもらいに行く晴吉さん。その日も、この家の材を譲り受けるべく挨拶に来たところだった。「こんないい家を、もったいないですよ、ぜひ、やらせてください!って、その場で言っちゃったんです」


好きになってもらうこと

「作業をはじめてみると、しっかりしたつくりで、木がまだまだがんばってる。これは残さなあかん建物や、ってひしひしと感じましたよ。座敷にご先祖さんの写真がずらっと並んでて、毎日、その視線を感じてましたよ」

しかし、残そうとするあまり、住む人に生活しづらい空間になってしまえば、住んでもらえなくなる。だからこそ、施主の住まい方に添う努力が必要だ。「古い家をもっている人が古民家好き、自然志向とは限らない。むしろ、そういう家で生活してきた人は、不便さや暗さ、重たさから解放されたいと思っている。そこをどう好きになってもらえるかなんですよね」残してよかった。そう実感してもらえる家をつくるのが、晴吉さんの願いだ。


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上/新設した梁がベランダを支える。自然採光+蛍光灯のトップライト部分には、これから障子が入る。

左/着工前の様子。土間のある典型的な古い民家だった。
「おくどさん」とよばれるかまど。薪で炊事をしていたこの真上の梁は煤で真っ黒になっていた。
完成間もない玄関。ベランダと2階を増築するために、元の合掌の小屋組は壊し、桁を持ち上げた。
増築したリビング。白い漆喰壁に黒い柱・梁、赤褐色の家具の取り合わせがモダンな感じ。
左/既存部分とリビングの間に吹き抜けをとってある。新旧の構造が渾然一体となった不思議な空間。
左/鉄平石を積んだポーチの脇には井戸水を汲み上げるポンプ。 

中/広縁にもステキな照明。

右/よしずを編んだ建具は、昔からのものを利用。
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